「お客様からの連絡が、メールで来たり、FAXで来たり、電話で来たり……」
問い合わせの窓口がばらばらなままだと、確認や振り分けだけで事務の時間が少しずつ削られていきます。
DXというと、大きなシステムを入れることを思い浮かべるかもしれません。しかし、最初の一歩は「問い合わせの入口を整える」ことからでも始められます。
この記事では、当社が支援した埼玉県の板金加工業(従業員20名)の事例をもとに、問い合わせ対応を整理して事務の負担を減らす進め方と、自社で見直すときのチェックリストをご紹介します。
連絡手段がばらばらだと、何が起きるのか
問い合わせの経路が多いこと自体は、悪いことではありません。お客様にとっては、使い慣れた方法で連絡できるという良さもあります。
問題になるのは、届いた連絡を社内で確認し、担当者に振り分ける作業が、人の手に頼りきりになっているときです。
- メールの受信箱、FAXの受信トレイ、電話のメモを、それぞれ確認しなければならない
- 内容を読んで「誰が対応するか」を判断し、担当者に回す必要がある
- 同じような質問に、毎回一から答えている
- 確認が重なると、見落としや伝え漏れが起きやすくなる
こうした作業は一つひとつは小さくても、毎日積み重なります。その分、本業に使えるはずの時間が削られていきます。
事例:10年以上前のホームページと、分散した問い合わせ
ご相談のきっかけ
ご相談をいただいたのは、埼玉県で板金加工業を営む、従業員20名の会社です。
最初のご依頼は「ホームページを新しく作り直したい」というものでした。ホームページは10年以上前に作られたまま更新されておらず、スマートフォンにも対応していませんでした。そのため、集客の窓口としてほとんど機能していない状態でした。
現場に足を運んで見えた、もう一つの課題
当社は、制作期間(約3ヶ月)のあいだに何度も会社へ足を運び、現場の業務の流れや困りごとを伺いました。
すると、ホームページとは別に、もう一つの課題が見えてきました。社内への連絡手段がメール・FAX・電話に分かれていて、事務員さんが確認や振り分けに大きな負担を抱えていたのです。
「ホームページを新しくする」だけでは、この負担は変わりません。そこで、サイトの作り直しとあわせて、問い合わせの受け方そのものを見直すことにしました。
実施したこと:入口を分け、よくある質問には自動で返す

1. 問い合わせフォームを「個人業者様向け」と「法人様向け」に分けた
Webサイト上に、個人業者様向けと法人様向けの専用フォームを、別々に設置しました。
お客様が自分に合ったフォームから連絡するため、届いた時点で問い合わせの種類が分かれています。
2. よくある質問には、自動返信メールで回答する
フォームを送ると自動返信メールが届き、よくある質問にはそのメールで回答できる仕組みを入れました。
毎回同じ説明を人が返す手間を減らせるうえ、お客様にとっても、問い合わせてすぐに答えが届くという良さがあります。
3. 結果として、問い合わせ対応の多くを自動化
これらにより問い合わせ対応を自動化し、事務作業の負担を減らすとともに、対応ミスを防ぐことにもつなげました。
成果:年間残業費を7割削減

ホームページの完成は2025年1月です。完成後の2025年を、2023年・2024年と比べると、会社全体の年間残業費を7割削減できました。
この数字は、問い合わせ窓口の整理を含む今回の取り組み全体の結果です。
代表者様からは、残業時間を大幅に減らせたことで社員が早く帰れるようになり、休日出勤もなくなって、家族やお子さんと過ごす時間が増えた、とのお声をいただきました。
自社で見直すときのチェックリスト
問い合わせ対応を見直したいときは、まず次の点を確認してみてください。担当者の方が社内で共有するときにも使えます。
問い合わせの入口
☐ お客様からの連絡は、どの経路(メール・FAX・電話・フォームなど)で、どれくらい届いているか
☐ ホームページはスマートフォンで見やすく、問い合わせしやすいか
☐ 問い合わせの種類(新規・見積もり・既存のお客様など)によって、入口を分けられないか
社内での受け方
☐ 届いた連絡を、誰が・いつ・どこで確認しているか
☐ 担当者への振り分けは、誰がどう判断しているか
☐ 確認や振り分けに、1日どのくらいの時間を使っているか
くり返しの対応
☐ 同じような質問に、毎回一から答えていないか
☐ よくある質問の答えを、ホームページや自動返信メールで先に届けられないか
見落とし・ミス
☐ 連絡の見落としや、担当者への伝え漏れが起きたことはないか
☐ 対応の状況(済み・未対応)を、ほかの人も確認できるか
すべてを一度に変える必要はありません。負担が一番大きいところから一つずつ整えていくことが、無理なく続けられるDXの進め方です。
まとめ
- 連絡手段がばらばらだと、確認と振り分けに事務の時間が取られやすい
- DXの最初の一歩は、大きなシステムではなく「問い合わせの入口の整理」からでも始められる
- 今回の事例では、フォームを分けて自動返信を入れるなどの取り組み全体で、年間残業費を7割削減できた
当社は、ホームページの制作だけでなく、現場に足を運んで業務の流れを伺い、DX(業務改善)まで一緒に進めています。主な対象は、従業員数名〜50名規模の中小企業です。
「ホームページを作り直したいが、ついでに事務の負担も減らしたい」「何から手をつければいいか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
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